家内の近況についてご報告いたします。前回の家内のブログからあっという間に50日以上が経過してしまいました。あまりにも辛く、筆舌に尽くし難いことばかりでアップする気にもなれず、ご心配をおかけしてしまいました。しかし、本日ようやく嬉しいご報告ができることになりました。
本日は抗ガン剤治療の外来治療日で、数日前のCT撮影の結果を聞くために有明病院に付き添ってきました。血液検査では腫瘍マーカー(ガンの程度)値は下がり、肝臓の機能も向上していました。そして、CTの結果では、肝臓のガンの腫瘤は徐々に小さくなってきていることも確認できました。悪性の腹水も減少してきていることもわかりました。明らかにガンが小さくなり、良い方向に向かっていることがわかりました。
主治医の先生からは、「薬が効いている」「この治療をやって良かった」「期待できる」「ようやく一安心できるところまできた」「全財産を投げ売っての賭けのような治療であった。他の治療方法は無い。本当に良かったね」と嬉しい言葉をいただけました。
今までとても深刻な状態でしたので、治療の選択肢も限られた方法しかありませんでした。そしてとうとう選択肢が1つになってしまいました。1つしか方法がないので、段階的に薬を変えていく治療ではなく、通常の3倍強い薬を1点集中で投下していく治療でした。そしてようやく効果が現れてきたのです。
実は、前回のブログの段階で退院した時までは良かったのですが、次の5月末の抗がん剤治療の時に未だかつてないほどにガンが大きくなってしまい、再び土俵際に逆戻りしてしまいました。もしもまた薬が効かなくなってしまったら余命は僅かに2ヶ月前後と告げられ。もう後が残されていない一進一退のギリギリのところまで追い詰められてしまいました。
その時には主治医から緩和ケアのことや最期の迎え方など考えておくように伝えられ、どのように最期を迎えるのか?家族といっしょに自宅で過ごすのか?病院で緩和を受け続けるのか?好きな海のそばで逝くのか?等々。生きているうちに死に方を決めるなど、どうしても受け入れがたいことでした。家内がわたくしよりも先に逝くなどまったく考えもしていませんでした。
結局緩和ケアについてはあまり具体的なことは決めず、自宅で生活しながら近所の病院かな?最期は綺麗な海の近くで過ごしたい?など漠然とした話をしていました。1ヶ月前には最悪のシナリオを考えなければならない状態でした。そして、そこから1ヶ月が経過し、ようやく期待の光が見えてきました。
さきほど家内が治療室に入っていく時に、「それじゃあ、頑張ってね!」と送り出しました。でももう十分頑張っているし、痛くて辛い思いをしている人に「頑張って」の言葉も無いのですが、いつも通り「頑張って」と声をかけました。
本日の外来では、質問したいことは山ほどあったのですが、あえて今後の具体的な治療方針は何も聞きませんでした。質問したい内容は、家内も主治医の先生も皆が望んでいることだからです。そして今の治療は3ヶ月継続することを告げられました。
塞翁が馬と言いますが、発症してから一喜一憂するのもどうなのかな?と感じることが幾度もありました。でも快方に向かうのは何よりも嬉しいですね。喜びはしても憂うことはせず、少しづつ快方に向かってもらいたいです。
快方の検査結果を聞いて足取りが軽い家内。あまり急がないでね。